日本人を狙った特殊詐欺拠点の疑いがあるとして、カンボジア北西部ポイペトの建物を捜索した現地当局に拘束された約30人について、警察庁は29日、日本人が20人以上含まれると明らかにした。残りは拠点を管理する中国人の可能性がある。警察官をかたる詐欺が行われているとの情報を愛知県警が確認し、警察庁が外務省経由で現地当局に捜索を依頼していた。
県警は6月にもカンボジアに捜査員を派遣し、現地当局から取り調べの状況などの聞き取りや証拠品の確認をするとみられる。
捜査関係者によると、県警は1月、カンボジアの拠点から帰国した県内在住の男性(21)が現地で詐欺に関与したと話しているとの情報を入手し、捜査を始めた。
男性は県警の任意の事情聴取に対し、昨年12月に大手求人サイトで「アルバイト」募集に応じ、仲介役から航空券の提供を受け、タイ経由で渡航したと説明。塀に囲まれた拠点は通りから三つの門を隔てた奥にあり、中国系の管理者8人ほどの下で20人以上の日本人が詐欺電話の「かけ子」をしていたという。軟禁状態にあったとみられる。