大阪府泉佐野市は29日、親が育てられない乳幼児を匿名で受け入れる赤ちゃんポストと、病院以外に身元を明かさない「内密出産」ができる設備を市内の医療機関と連携して設置し、2026年度中に運用を開始する方針を明らかにした。
日本では熊本市の慈恵病院と東京都墨田区の賛育会病院が導入しており、泉佐野市によると実現すれば、医療機関と連携したものでは全国3例目の取り組みになるとしている。
泉佐野市によると、ふるさと納税や一般からの寄付金などによる市の福祉基金を原資とし、運用する予定。内密出産の費用を本人に求めるかどうかは検討中とした。今後、市内で連携できる医療機関を選定する。
千代松大耕市長は取材に対し「女性が出産した子どもを遺棄してしまう事件は今でも続いている。行政としても対策に取り組みたい」と話した。
市は市議会への提出議案として、慈恵病院や賛育会病院などを視察する目的で約800万円の補正予算案も発表した。