【シンガポール共同】フランスのマクロン大統領は30日、シンガポールで同日開幕したアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で欧州首脳として初めて基調講演し、関税で他国を威嚇する米国と、南シナ海で覇権主義的な動きを強める中国の対立を念頭に「今日の主なリスクは超大国間の分裂だ」と警告した。
マクロン氏は米中が激しく対立することで、全ての国々に「どちらの側に立つかを選択せよ」という指示を与えているようだと指摘。他国を巻き込む状況になれば「世界秩序は崩壊し、第2次大戦後に平和を維持するため築き上げてきた全ての制度が破壊されてしまう」と述べた。
さらに「世界的なリーダーシップを巡る米中の競争はわれわれに制約や副作用をもたらしている」と強調した。
アジア安保会議は6月1日まで開催。ヘグセス米国防長官も出席し、5月31日に演説する。米国と中国の接触が注目されていたが、中国は董軍国防相の派遣を見送った。