3日投開票された韓国大統領選では、生成人工知能(AI)で作られた本物そっくりの候補者の偽動画「ディープフェイク」が大量に拡散された。韓国では昨年、選挙に絡む偽動画流布などに懲役刑を科す改正公職選挙法が施行されたが、交流サイト(SNS)での爆発的広がりに歯止めをかけるのは困難で、選管当局は頭を悩ませている。
複数の韓国メディアによると、選挙期間中、「共に民主党」の李在明氏が留置場に入れられたり、戒厳令を発動したりする偽動画がTikTok(ティックトック)などに投稿され、多数回視聴された。中央選挙管理委員会は特別チームを立ち上げて集中的に取り締まり、4月以降、約1万件の偽動画や偽画像の削除を通信機関に要請した。
昨年1月、投開票日の90日前からディープフェイクの作成や投稿を禁止する改正公選法が施行された。違反者には7年以下の懲役か1千万ウォン(約100万円)~5千万ウォンの罰金が科される。
中央選管は今年5月、法施行以降初めて、同法違反容疑でユーチューバーら3人を捜査機関に告発した。(共同)