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マクロン提案に「核の傘はない」 欧州各国と戦略議論を継続

2025/06/12 15:11

 インタビューに応じるフランス外務省のギヨーム・オラニエ戦略問題・安全保障・軍縮局長=11日、東京都港区

 フランス外務省のギヨーム・オラニエ戦略問題・安全保障・軍縮局長は、欧州防衛に自国の核抑止力で貢献するとのマクロン大統領の提案について「核の傘ではない」と述べ、拡大抑止の提供とは異なるとの認識を示した。欧州各国との戦略的議論が続いていると明らかにした。12日までに東京都内で共同通信などのインタビューに応じた。

 マクロン氏は3月、自国の核兵器の抑止力による欧州各国の防衛を検討する方針を表明した。2020年にも同趣旨の発言をしたが、米国の「核の傘」の下にある各国の反応は薄かった。ウクライナに侵攻したロシアに対するトランプ政権の融和姿勢が転換点となったとみられ、オラニエ氏は「(各国の)関心は高まっている」と指摘した。

 オラニエ氏は、核戦略については「一定の曖昧さ」が必要だとして各国との議論の詳細は明らかにしなかった。ただ「私たちは米国の拡大抑止に取って代わるつもりはない」と明言した。

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