林芳正総務相は5日の記者会見で、交付開始から来年1月で10年になるマイナンバーカードの保有枚数が1億枚を超えたと発表した。ポイント還元策や、健康保険証の廃止と保険証機能を持たせた「マイナ保険証」への一本化で普及が進んだ。ただ、マイナ保険証の利用率は伸び悩んでおり、情報漏えいなどへの不安を取り除く取り組みも課題だ。
総務省によると、3日時点の保有枚数は1億2万9804枚で、全人口に対する割合は80・3%となった。林氏は「カードの利便性の拡大などさまざまな取り組みの成果だ」と強調した。
マイナンバーカードの交付は2016年1月に開始。個人情報流出への懸念などから、当初は取得がなかなか進まなかった。
22年に「マイナポイント」が最大2万円分もらえるようになると申請が急増。健康保険証廃止とマイナ保険証への一本化を打ち出すと、さらに申請数が伸びた。
政府は多分野で利用拡大を図り、今月2日からマイナ保険証を基本とする仕組みに本格移行した。10月末時点で保有者の約88%が登録しているが、利用率は37・1%にとどまる。
