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来場者とパビリオンが育んだ交流6か月の軌跡 ~ブルキナファソ、ツバル、ナウル、アルジェリア~

2025/10/03 16:46

  • 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
  • イベント・セミナー・展示会
2025年10月3日
EXPO2025 News Vol.23
大阪・関西万博メディアセンター

来場者とパビリオンが育んだ交流6か月の軌跡 ~ブルキナファソ、ツバル、ナウル、アルジェリア~

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202510036523-O4-46T40J2H

ブルキナファソパビリオンの「手書きメッセージコーナー」

 

 「大阪・関西万博の華」と言われるパビリオンでは、会期6か月の期間を通じて、デジタルツールを使ったインタラクティブなコミュニケーションから、手書きをはじめとしたアナログな手法がもたらす、言葉を越えた通い合いまで、パビリオンごとに、国や文化の違いを越えて温かで個性的な交流が育まれてきました。本号ではこうした、6か月に及ぶ交流の軌跡に注目し、その一部ではありますが、4か国のパビリオンでの取り組みをご紹介します。

 まず、最初に注目したのは、ブルキナファソパビリオン。個性的、かつ積極的な交流を育んできた同パビリオンを中心に、訪れた人々の思いや願いを受けとめ、ともに空間をつくってきた、その軌跡をご紹介します。

 

 

■ブルキナファソパビリオン “高潔な行い”が紡ぐ、確かな希望

 

 来場者との交流がとりわけ印象的だったのが、コモンズ D 館のブルキナファソパビリオンです。その象徴ともいえるのが「手書きメッセージコーナー」。来場者が自由に思いを書き残せるこのスペースに寄せられた声ひとつひとつに対して、パビリオンスタッフが手書きで返事をつづっています。たとえば「ご先祖様を尊び、自然や伝統を大切にする姿に感動しました」という声には、「この暮らしが後世へ受け継がれてゆくのをいのるばかりです…」と返され、「“あたりまえ”って何だろう」という問いには、「お互い様♡と言い合える社会いいよね」と温かく応じられています。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202510036523-O6-ujQfmg0J

手書きの説明ポップで彩られた

ブルキナファソパビリオン

 

 コミッショナージェネラルのマクシム・ヤムウェンバさんは「展示を通して、ファンになって、応援し続けて頂いた方々がたくさんいらっしゃることを実感しています。『アフリカの歴史を学びたい』と言ってくれたお子様もいらっしゃいました。とても嬉しいです」と話します。また副コミッショナージェネラルのナルド・ノンゲルマさんは「頂いたメッセージはすべて、スタッフが目を通しています。ブルキナファソという、日本ではまだあまり知られていない国にこれほど多くの思いが寄せられていることに感動しています。やってよかった、と心から思います」と想像を超えた反響に目を輝かせます。

 

 こうした「手書き」は、メッセージ交換だけにとどまりません。パビリオン内には、日本語で丁寧につづられた説明ポップが随所に設けられています。それらが、来場者の理解と興味を深め、新たな交流のきっかけとなっています。

 例えば、来場者から寄せられた「マルミミゾウ」に関する声をきっかけに、ブルキナファソで保護され、現在は広島市安佐動物公園で飼育されている「メイ」と「ダイ」の存在を紹介する新たな展示が誕生。来場者の反響を呼んでいます。また、日本とブルキナファソの意外なつながりに驚く来場者も少なくありません。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202510036523-O8-0p8FMUV5

メッセージをきっかけとして生まれた展示

 

 このようにブルキナファソパビリオンでは、展示やメッセージを通じて「言葉を届けること」を大切にしています。ノンゲルマさんは、「さまざまな国が交わる万博だからこそ、目に見える『書かれた言葉』が相互理解の鍵になります。音声では伝えきれない想いやニュアンスも、書き言葉であれば翻訳や記録がしやすく、心のこもった対話につながるのでは」と語ります。ヤムウェンバさんも「ブルキナファソは現地語で『高潔な人々の国』を意味します。だからこそ、私たちは来場者にも、誠実に言葉をつづるという高潔な行いで応えてほしいのです。想いを紙に書くことで、私たちの精神に共鳴し、一体となる。その姿勢こそが、ブルキナファソを理解する第一歩になると信じています」と話します。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202510036523-O11-P2nZnCig

副コミッショナージェネラルのナルド・ノンゲルマさん(左)、 コミッショナージェネラルのマクシム・ヤムウェンバさん(右)

 

 書くという行為がもたらす丁寧な時間は、文化の違いを越えて人と人をつなぐ架け橋となります。そして、この「書くこと」は、未来にむけて記憶を紡ぐ営みでもあります。ヤムウェンバさんは「メッセージは先ず画像として保存しつつ、現物は処分せずに、ブルキナファソに持ち帰る予定です。ひとつひとつのメッセージには、当万博での交流の跡が刻まれており、それを未来にどう伝え残すかを考えていきたいです。」と話します。書かれた言葉が展示となり、また次の新しい対話を生む。人の手でつづられた温かな交流の循環が、いま、大阪・関西万博会場の片隅で続いています。誰かの言葉が、誰かの心を動かし、未来の平和な共生社会を形づくっていく。そんな確かな希望が、手書きのメッセージから立ち上がっています。

 

 

■他のパビリオンでも広がる「来場者との交流」

 

 ブルキナファソパビリオンに限らず、大阪・関西万博では、さまざまなパビリオンで来場者との間に心温まる交流が生まれています。手書きのメッセージや展示物を介して交わされたやり取りの数々は、それぞれの国の文化や想いを映し出し、人と人とをつなげる力を感じさせます。

 

ツバル:色とりどりの声が支える、「沈まない未来」への願い

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202510036523-O12-NF4zQjBu

「温暖化で沈む国」への応援メッセージで彩られた

ツバルパビリオン

 

 南太平洋に浮かぶサンゴ礁の島国・ツバル。気候変動の影響を最も受ける国のひとつで、「温暖化で沈む国」として知られています。コモンズB館のツバルパビリオンでは、島のくらしや文化を明るく紹介する展示と並び、「PLEASE SAVE TUVALU」と掲げた子どもの写真が来場者の足を止めます。

 特に印象的なのが、壁一面に貼られた色とりどりの付箋たち。来場者が自由にメッセージを残せるこのスペースには、「沈まないでツバル」「また未来の万博で会いましょう」「できることをするよ」「あきらめないで」といった応援の言葉がぎっしりと並びます。その一枚一枚は、誰かのまなざしや祈りの証であり、小さな共感の積み重ね。

 ツバルパビリオンは、メッセージが展示の一部として溶け込み、未来へのエールとなる空間をつくりあげています。

 

 

ナウル:ファンアートがつなぐ、小さな国との大きな交流

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202510036523-O14-T14SDUiy

寄贈されたファンアートが並ぶ

ナウルパビリオン

 

 世界で3番目に小さな島国・ナウル。コモンズB館のナウルパビリオンでひときわ目を引くのは、展示を埋め尽くすほどの「ナウルくん」のファンアートです。ナウルの国土を模したこの公式キャラクターへの愛が、SNS上での呼びかけをきっかけに、来場者から数多く寄贈され、展示棚を彩っています。

 「寄贈は無制限」と SNS で明言されたパビリオンには、手づくりのぬいぐるみやイラスト、模型など、来場者の個性あふれる作品が集結。パビリオン側が用意した伝統的な小屋の模型にファンアートの「ナウルくん」が住まう一角もあり、展示とファンアートが一体となって空間をつくりあげています。創造と交流の場として、多くの来場者の心を捉えています。

 

 

アルジェリア:願いを分かち合う静かな光の場

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202510036523-O15-AJ8G4CyW

六角形のカードに自由に想いをつづられる

アルジェリアパビリオン

 

 「アルジェリアにあなたの光を加えてください」。その言葉の下、訪れた人々が次々とペンを取り、自分の願いをそっと書き込んでいきます。セービングゾーンのアルジェリアパビリオンでは、来場者が六角形のカードに自由に想いをつづり、壁に飾っていくメッセージスペースが設けられています。

 展示を眺めるだけでなく、自らの言葉を「残す」体験。派手な演出があるわけではありませんが、その静けさが、深い集中を生み出します。「持続可能な世界に」「アルジェリアに幸あれ」「世界中が仲良くなれますように」などと展示を見た感想、自分の希望、誰かへの励ましの言葉が、穏やかに壁を彩っています。会場内は比較的ゆったりとしており、ほとんどの来場者が足を止め、時間をかけて思いをつづっていく姿が印象的でした。

 「あなたの願いを私たちと共に分かち合いましょう!」その呼びかけ通り、このパビリオンは、国と人、そして人と人が静かにつながる場所になっています。

 

 

10月13日(月)までに開催される、主なイベント情報(一部)

開催日時、内容は告知なく変更する場合がございます。

最新情報はこちらから、イベント名を入力してご確認ください。

https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events

 

■ナショナルデー、スペシャルデー

「大阪・関西万博」の会期中、ほぼ毎日繰り広げられる「ナショナルデー」「スペシャルデー」。

国ごとにテーマを定め、公式式典や多彩な文化プログラム、パレードなどが開催されています。

10月9日 (木) ホンジュラス共和国

10月10日(金) カーボベルデ共和国

10月11日(土) ハイチ共和国

10月12日(日) 博覧会国際事務局(BIE)

 

 

■体験型イベント

 

「未来のトビラをひらく 『こども万博』」

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202510036523-O18-7w42Q4Hp

 

日時:10月10日(金)・11日(土)10時~19時(9時30分開場)

※11日は17時まで

場所:西ゲートゾーン EXPO メッセ「WASSE」

内容:

「こども万博 2025」は、こども万博実行委員会が開催する、「子どもの夢を応援する一日」をテーマにしたファミリーイベント。全国の小学生から夢を募集し、その発表の場となる「夢スピーチコンテスト」、YouTuberやゲームクリエイターなどリアルなお仕事を体験できる「おしごと体験」、子どもたちが縁日の店長になって接客やサービス提供を行う「子ども店長体験」など、子どもたちが主役となり様々な体験コンテンツを用意しています。

URL  https://www.kodomo-banpaku2025.com/

 

 

■フェスティバル

 

「FROM OSAKA TO RIYADH 大阪からリヤドへ」

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202510036523-O16-6QiI9bcf

 

日時:10月10日(金)18時~20時30分(18時開場)

場所:フューチャーライフゾーン EXPOアリーナ「Matsuri」

内容:

大阪・関西万博と、次期2030年開催地であるリヤド万博をつなぐ、特別な文化フェスティバル。音楽、アート、そして豊かな物語が融合したパフォーマンスにより、サウジアラビアと日本の魅力的な文化を体感できます。

日本を代表する伝説的DJのケン・イシイやDJ KAORIに加え、サウジアラビアの歌姫Ghada Sheri、さらに伝統的な打楽器グループのAl Bairaq Al Akhdarや太鼓センターなど、両国の著名なアーティストが出演します。そして、観客を中心に据えた迫力ある没入型の映像演出が会場を包み込み、忘れられないスペクタクルへと変貌させます。

URL https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events/92bb3c05-ecfc-4cc8-ab50-fd9399933b3c

 

「JR西日本グループpresents ありがとうと旅立ちの祭典 ~Thank you for all...~」

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202510036523-O17-I2xrps64

 

日時:10月13日(月)13時~19時(12時開場)

場所:フューチャーライフゾーン EXPO アリーナ「Matsuri」

内容:

大阪・関西万博に携わってきた多くの方々や来場者の皆様に感謝を伝えるとともに、閉幕後の新たな旅立ちを応援するファイナルイベント。日本各地の日本酒を楽しめるブースを設置するほか、会期中に万博会場内で公演した国内外の「まつり」の一部が再演。アーティストによる感謝を伝える楽曲の披露や、大阪・関西万博の招致から会期中の様子を映像で振り返りつつ、万博終了後の「旅立ち」につながる演出でフィナーレを彩ります。

【第1部】美しい日本の文化・伝統による「おもてなし」

【第2部】EXPO Thanks LIVE

【第3部】「旅立ち」のステージ

URL  https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events/e6d0ff8a-fe69-47b9-8827-43899f90d4b1

 

 

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