【 千住 】<行春や鳥啼魚の目は泪> 街道の人波...幻のようにかすむ

03/26 14:30

  • 有料記事
隅田川から昇る朝日を千住大橋(奥)の北のたもとで仰ぐ。初代の橋は、徳川家康が江戸城に入り4年目の1594(文禄3)年建造された延長約120メートル、幅約7メートルの木造橋。隅田川の橋のうち家康が最初に架けた橋で「大橋」と呼ばれた。撮影場所は船着き場だった(「奥の細道の旅ハンドブック」より)=足立区千住橋戸町

 松尾芭蕉が江戸・深川(現東京都江東区)から「おくのほそ道」の旅に出発したのは1689(元禄2)年3月27日(陽暦5月16日)。明け方、門人杉山杉風(さんぷう)の別宅「採茶庵(さいとあん)」を出て、見送りの門人らと舟に乗ると、隅田川をさかのぼり「千じゆと云所にて」舟から上がった。  では芭蕉の足跡をたどる旅も舟で出発...とはいかなかった。  深川と、約10キロ上流の千じゆ、つまり千住の間には今、人が...

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line