陸奥(みちのく)の入り口「境の明神」にたどり着いた松尾芭蕉と河合曽良は、いよいよ未知の地へと歩みを進めていく。日付は前回と変わらず1689(元禄2)年4月20日(陽暦6月7日)。二人は国境を過ぎ街道を少し北へ進むと、東へ脇道にそれた。真っすぐ進めば白河城下だが、芭蕉らが選んだのは山の中を行く細道だった。 曽良の「日記」には「古関を尋て白坂ノ町ノ入口より右ヘ切レテ、籏宿ヘ行」とある。籏宿(はたじ...
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