【福島・文知摺観音】<苗とる手もとや昔しのぶ摺>落胆から生まれた名句

11/04 14:30

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文知摺観音堂のそばにある文知摺石。現在、柵は取り除かれ、周囲の石組みが明治時代に地面から掘り出された史実を伝えている

 福島市の中心部から直線で約5キロ。同市山口地区は、福島盆地の東端。松尾芭蕉の足跡をたどり同地の観音堂を訪ねると、秋風が木々を揺らしていた。  前回、県庁前の碑に刻まれた芭蕉の句〈早乙女に志かた望まむ信夫摺〉を見つけ「似たような句を知っている」などと、思わせぶりなことを書いた。しかし、ご存じの方は多いだろう。平安時代以前に、石の文様を草の汁で写しとった草木染の布・衣「信夫摺(ずり)」もしくは「しの...

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