大熊町が同町大川原地区に整備している幼保小中一体型の教育施設「学び舎(や)ゆめの森」の新校舎への入園・入学希望者が25人いることが10日、分かった。町が同日に会津若松市で始めた町政懇談会で、町教委が明らかにした。
学び舎ゆめの森は現在、義務教育学校として会津若松市の仮校舎で授業をしている。来夏の完成を目指している新校舎は、認定こども園が併設し、0~15歳が同じ空間で過ごす教育施設になる。
町教委によると、25人のうち、8人は会津若松市にある仮校舎と大熊幼稚園に通う子どもたちで、ほかの17人は転学する見通し。町教委は12月中旬、保護者らを対象にした学校説明会を開く方針。
新校舎は建築鋼材不足の影響で完成が3カ月ほど遅れ、夏休み明けの2学期から使えるようになる。1学期は大川原地区にある公共施設を代替施設として活用する。義務教育学校は町役場と住民福祉センター、認定こども園は交流施設linkる大熊を間借りする。
町政懇談会には町民13人が参加。原発事故による全町避難を経て、来春に12年ぶりに町内で教育が再開されることを巡り、参加者から「大熊の子どもたちは町の宝。学校周辺の放射線量は安全なのか」などの質問が上がった。町によると、新校舎周辺の放射線量に問題はないが、環境省に周辺の山林などのモニタリングの徹底を求めている。