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廃棄物、地層処分が現実的

05/25 14:29

 高レベル放射性廃棄物は、使用済みの燃料を処理する際に生じるものです。使用済み燃料から、再利用可能なウランやプルトニウムを取り除き、残った放射能レベルの高い廃液を高温のガラスと混ぜて固体化したもののことを呼びます。

 ガラス固化体はいろいろと処理をされた後のもので、爆発したり、臨界状態になったりとはなりませんが、数万年以上の非常に長期間の保存が必要になります。

 製造されたばかりのガラス固化体の放射線の強さは、人が近づけるレベルでは全くありませんが、徐々に減弱はしていきます。私を含め、今この記事を読まれている方はもう誰も生きてはいませんが、千年後にはガラス固化体の放射線を出す強さは99.9%以上減少します。しかし、それでも燃料の製造に必要な天然のウラン鉱石の放射能レベルに比べればまだまだ高く、ウラン鉱石と同じレベルに下がるまでには追加で数万年の時間が必要となります。

 そのため、300メートル以上の地下深い場所で「地層処分」することが、現実的な処分の方法であるというのが、国際的に共通した考え方となっています。

 地下深い層は、酸素濃度が低く、地下水の動きも極めてゆっくりのため金属がさびづらいです。また、石油や石炭、鉄などの鉱床も何百万年、何千万年という長期間にわたって安定的な状態で保存されてきました。技術的なことに加えて、これらも地層処分が現実的であると考えられる理由です。

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