福島市の県立美術館で25日、同館40周年記念展「福島の美術家たち2024」が開幕した。1990年代から現在までの、本県ゆかりの作家の作品を5部門に分けて紹介している。7月22日まで。
初日は、いずれも出品作家で、県美術家連盟会長の酒井昌之さん(伊達市、洋画)と同連盟前会長の斎藤勝正さん(福島市、日本画)、元館長の早川博明さんによるトークショー「福島の美術家たち~これまでとこれから」が開かれ、3人が同館設立時のエピソードや今後の展望を語り合った。
同館の建設準備から携わった早川さんは、美術館の核となるコレクションの方向性を検討していた当時の様子について、本県ならではの美術の特色を意識して「本県ゆかりの作家、日本の近現代作家、そしてアンドリュー・ワイエスなどの欧米作家を取り上げることに決めた」と語った。
斎藤さんは「県立美術館の設立をきっかけに、公募展『県展』も盛り上がった。美術館と公募展の役割は違うが、相互に良い影響を与えてきた」と話した。
酒井さんは「若い世代が芸術活動に気軽に参加できるよう、楽しそうだと思ってもらえる活動をしていきたい。県立美術館は、次世代に働きかけるような企画にチャレンジしてほしい」と、本県の芸術文化の振興に向けた同館の今後の取り組みに期待を寄せた。