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レーダー使い地質を調査

06/29 12:15

 高レベル放射性廃棄物は、数万年以上の長期保存が必要なため、300メートル以上の地下深い場所で「地層処分」することが、現実的な処分法であると考えられています。最終的に地層処分する場所が決まっていないわが国において、処分地の選び方は、文献調査、概要調査、精密調査と呼ばれる、3段階のプロセスを踏まなければならないことが法律によって定められています。

 一つ目の文献調査では全国地図と、地域の個別の細かいデータから、処分場として明らかに適切ではない所を除外する作業が行われ、その後の二つ目の段階である概要調査に進むかが決められます。

 概要調査は簡単にはボーリング調査です。加えて、レーダーのようなものを使って、地質の構造や地質の性状を間接的に調べたり、温泉や湧き水・地下水(井戸)の性状を調べたりします。法律には〈1〉地震などの自然現象によって、地層の著しい変動が長期間生じていないこと〈2〉坑道の掘削に支障がないこと〈3〉活断層や岩石の割れ目、地下水の水流などが地下施設に影響を与える恐れが少ないと見込まれることなど―を確認することが定められています。

 一つ目の文献調査から二つ目の概要調査に進むには、知事および市町村長の同意が必要となりますが、現状の日本で二つ目の概要調査に進んだ例はありません。

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