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小名浜港に新種クラゲ、アクアマリンで展示 泳ぐ姿「念仏踊り」

07/05 08:20

新種の「ジャンガラコノハクラゲ」(アクアマリンふくしま提供)

 いわき市のアクアマリンふくしまは4日、同市の小名浜港で採取したクラゲが新種だったと発表した。「ジャンガラコノハクラゲ」と命名され同日、同館で展示が始まった。

 クラゲは2022年6月、石井輪太郎展示第1グループ主任がプランクトンネットを用いて同港の海面付近で採取した。その後、クラゲの分類を専門に行う黒潮生物研究所(高知県)の戸篠(としの)祥主任研究員が生物学的・分子系統学的解析を行い、コノハクラゲ属に属する未記載種であることが判明した。同属では約60年ぶりの新種発見という。

 体長は約1センチで、ガラスのような透き通ったかさに、一部が茶や赤の触手を持つ。小気味よく泳ぐ姿が伝統芸能「じゃんがら念仏踊り」をほうふつとさせることから命名。学名は小名浜港で確認されたことから「onahamaensis(オナハマエンシス)」とした。エンシスはラテン語で「場所」を意味する。海洋生物を扱う国際専門誌が2日、論文を公表した。

 00年の開館以降、職員らは同港に変わった種類のクラゲが存在することを認識していたが、戸篠氏の協力でようやく新種と確認された。石井氏は「短命なので何日展示できるか分からないが、名前のように泳ぐ姿を楽しんでほしい」と話した。

 展示は同館2階の「ふくしまの海」で行っているが、状態によっては中止する場合がある。問い合わせは同館(電話0246・73・2525)へ。

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