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雨でも飛べるドローン、南相馬の企業開発 国内初のレベル4実現

07/06 08:40

イームズロボティクスが開発している降雨時にも飛行できる新型ドローン

 ドローン製造のイームズロボティクス(南相馬市)は5日、雨の中でもドローンの「レベル4飛行」と呼ばれる有人地帯の目視外飛行が可能な新型ドローンを開発していると明らかにした。10月にも国の認証を得て出荷を始める。同社などによると、降雨時にもレベル4飛行ができる機体は国内で初めて。県が長崎県と連携して取り組むドローン配送サービスの実証試験にも使用される見通しで、関係者は新型機誕生が利便性の高い配送サービスの実現につながると期待する。

 イームズ社によると、ドローンはモーターなど水に弱い部品があるため、同社の既存の機体は雨が降ると飛行できない。同社は利便性の高い配送サービスの実現を目指し、雨の中で飛行できる機体の開発に着手。隙間から水分が内部に入らないよう工夫し、1時間当たり10ミリ以下の雨量なら飛行できる構造を実現した。

 県は「雨の日が続くと食品や医薬品などを届けられなくなるようでは、トラックの代わりにドローンが物流を担う時代はやってこない。雨の中でも飛行できる機体は、ドローン配送の実現に必須だ」(次世代産業課)と新型機に期待する。

 県は長崎県とともに、ドローン配送の実現に向けた国家戦略特区に指定されており、本年度中にレベル4飛行の安全を確保するための運航管理のルールを策定する。策定に向けた実証試験には、同社の新型機も活用する方針だ。

 報道関係者に技術発表

 福島イノベーション・コースト構想推進機構は5日、福島市で報道関係者向けの合同発表会を開いた。

 イームズ社を含め、浜通りでドローン関連技術の開発に取り組む3社が参加した。ドローンワークシステム(いわき市)は、国内最大級の積載量75キロを誇るドローンの開発を進めていることを説明した。OKUMA DRONE(オオクマドローン、大熊町)は、複数のドローンの同時運航を可能にする運航管理システムを紹介した。

240706news00_3-2.jpg浜通りでドローン関連技術を開発する3社が取り組みを紹介した発表会

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