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酒かすで育てた福島牛、今冬販売へ A5ランクを厳選

07/19 08:15

 県は今冬、県産日本酒の酒かすを食べて育った福島牛を本格デビューさせる方針であることが18日、分かった。「酒粕(かす)牛」として一般販売するのは牛肉の格付けの中で最高峰の「A5ランク」のみで、全国有数の酒どころから誕生した福島牛トップの牛肉と位置付け、販路拡大を目指す。

 酒粕牛の実証試験は県畜産研究所や福島大、地元の畜産農家が2021年度からスタートさせ、3年かけて牛肉の甘みやうまみ成分を化学的に分析してきた。酒かすを食べる時期や量による違いなどの調査を重ねた結果、酒かすを加熱してパウダー状にしたものを出荷前の90日間与える独自の肥育技術を確立させた。

 酒粕牛は通常の牛肉より軟らかくジューシーで、脂の甘みが強いのが特徴。酒かすは加熱して与えているため、牛肉にアルコールが含まれる心配はなく、安心して食べることができる。22~23年には県内のスーパーや焼き肉約20店舗で、酒粕牛を期間限定で試験的に販売。数量に限りがある中でも、肉の香りや食味が好評で各店からの引き合いも強かったという。県によると、酒粕牛の生産に携わっている畜産農家は現在3軒。県は今後、肥育技術を盛り込んだマニュアルを完成させ、生産拡大を図る。

 正式名称を募集

 県は酒粕牛の知名度向上や本格販売への機運醸成につなげるため、19日から酒粕牛の正式名称を公募する。募集期間は8月18日まで。最優秀賞には賞金10万円と酒粕牛3万円相当、優秀賞は酒粕牛3万円相当、入選は酒粕牛1万円相当をプレゼントする。

 申し込みは専用サイトからできる。県は「『ふくしまプライド。』の象徴として消費者を含めて酒粕牛に携わってもらい、皆で育てていきたい」(畜産課)としている。

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