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福島県メタボ率19.5% 22年度全国ワースト4位、健康指標改善進まず

08/14 07:30

 特定健診でメタボリック症候群に該当した県民の割合(メタボ率)が2022年度に19.5%(前年度比0.3ポイント増)となり、統計の残る08年度以降で過去最悪となったことが厚生労働省の調査で分かった。都道府県別では前年度と変わらずワースト4位だった。県は県民の健康指標改善に向けて対策に取り組んでいるが、メタボ率の改善が十分に進んでいない状況が改めて浮き彫りになった。専門家は改善が進まないことで「健康障害が問題となってくる」として早急な対策を訴えている。

 全国のメタボ率は16.7%で前年度より0.1ポイント悪化し、本県との差は前年度の2.6ポイントから0.2ポイント拡大した。都道府県で割合が最も高かったのは沖縄県の20.8%で、秋田県の20.0%、宮城県の19.9%と続いた。

 メタボの診断基準に迫る「予備軍」の本県の割合は12.8%(同0.1ポイント増)で、順位は前年度から三つ改善したが、ワースト11位だった。メタボ率と予備軍の合計は32.3%(同0.4ポイント増)で前年度より一つ悪いワースト2位だった。

 本県のメタボ率は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後に悪化が進み、12年度に全国ワースト4位の16.3%に悪化した。その後は大きく改善は進まず全国下位の状況が続く。

 県は「健康長寿県」実現に向けて県民のメタボ率改善を重点の一つに掲げており、本年度から始まった「第3次健康ふくしま21計画」では、30年にメタボ該当者と予備軍の割合を21.0%まで減少させる目標を掲げ、取り組みを進めている。

 メタボ率が悪化した要因について県は新型コロナウイルス禍であったことや、食塩や脂質の多い食生活が定着しているとしており「(メタボ率は)依然として厳しい状況にある。これまでの取り組みを強化、改善していく」(健康づくり推進課)としている。

 メタボなどに関して詳しい福島医大糖尿病内分泌代謝内科学講座の島袋充生主任教授(61)は「メタボや肥満はすぐに合併症を発症しないが、対策をしないと(合併症発症の恐れが高まるなど)その人の人生が決まってしまう。県民の受け止めが弱いので広報を強化し、県民が自分ごととして行動するようにしなくてはならない」と改善が進まない現状に危機感を示した。


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