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地質や環境への影響調査

08/24 09:20

 高レベル放射性廃棄物は数万年以上の長期保存が必要なため、地下深い場所での「地層処分」が現実的だと考えられています。しかし、この場所をどうするかは、全世界で共通の問題です。日本では地層処分する場所が決まっていませんが、スウェーデンやフィンランドは、この最終処分地に相当する場所が既に決定しています。

 スウェーデンの建設予定地は、フォルスマルクという首都ストックホルムから北に120キロの場所です。その決定までにはこれまでさまざまな段階が踏まれました。

 スウェーデンでの場所の選定は、SKBという専門の会社が1992年に取りまとめた研究開発計画書の中で、選定方法の案を提示し、その概要について説明する書簡を、当時286あった全国の自治体に送付したことから始まりました。93年から2000年にかけて合計八つの場所でフィージビリティー調査という、日本でいう文献調査に相当する調査が行われました。

 既存の地質に関する文献に加えて土地の利用状況や環境、雇用面への影響が調べられ、結果的に三つの自治体が選定されました。その後、一つの自治体では地元の議会でこの次の調査へ進むことが否決されます。そして、残りの二つの自治体でボーリング調査を含むサイト調査が、02年から約5年間行われました。

 その結果に基づき、09年6月にSKB社は、地質学的な条件が有利であったエストハンマル自治体のフォルスマルクを建設予定地として選定しました。

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