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地層処分さまざまな実験

08/31 11:55

 高レベル放射性廃棄物は数万年以上の長期保存が必要なため、地下深い場所での「地層処分」が現実的だと考えられています。日本では地層処分する場所は決まっていませんが、スウェーデンやフィンランドは、この最終処分地に相当する場所が既に決定しています。

 スウェーデンの建設予定地は、フォルスマルクという首都ストックホルムから北に120キロの場所です。その決定にはこれまでさまざまな段階が踏まれたことを紹介しました。文献調査の後、二つの自治体でボーリング調査を含むサイト調査が行われました。その一つが、最終的に建設予定地となったフォルスマルクになります。

 もう一つの候補だった場所は、オスカーシャムというストックホルムから南に230キロの場所です。こちらにも原子力発電所が稼働しており、そこには最終処分地を建設するための実験を行う地下施設があります。何キロもある長いトンネルが地下約450メートルまで掘られており、地下深くまで1分強かけて垂直にエレベーターで降りることができます。

 その地下では、実際に使われる入れ物を埋める実験や、埋めるための機械を稼働させる実験、漏れた場合にどの程度周辺に広がるのかという実験などが行われていました。見学も受け入れており、私もこの夏伺ってきました。

 ちなみに、日本にもこの実験施設に相当する施設が北海道の稚内から南に約50キロの幌延(ほろのべ)町にあります。

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