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肺腺がん再発予測物質を特定 福島医大など、新たな診断法に期待

09/04 10:25

 福島医大や国立研究開発法人国立がん研究センターなどの研究グループは、肺がんの一種「肺腺がん」の術後の再発リスクを予測する物質を突き止めた。肺腺がんは早期であっても再発リスクが高く、早期ステージの肺腺がんの再発を予測する新たな診断法や治療戦略の開発が期待できるという。

 研究グループには医大医学部消化管外科講座の河野浩二教授と斎藤元伸講師が加わった。研究では、がん組織中の「マイクロRNA」という分子の構造を数値化し、患者の予後との関連を調べた。その結果、早期肺腺がんの再発リスクを評価できる可能性が示された。

 また、「IGF2BP3」というタンパク質が制御する特定の遺伝子が肺腺がんの悪性度を決定付ける遺伝子発現を制御する原因の一つであることも明らかにした。

 肺がんは、日本のがん死因の1位で、年間約7万6千人に死をもたらす難治性がんの一つ。早期で発見されても半数近くが術後に再発することが知られている。このため、術後の再発リスクを迅速に把握することは、患者に適した術後の医療を選択する上で貴重な情報になるという。

 研究成果は8月28日付で国際学術誌に掲載された。

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