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ぼうこうがん進行助長の細胞発見 福島医大など研究グループ

09/10 09:55

目黒了助教

 福島医大や東京大、金沢大などの研究グループは、加齢によって増えるぼうこう内の老化細胞が、ぼうこうがんの進行を助長することを発見した。ぼうこうがんは、加齢とともに発症率の上昇や生存率の低下が認められる加齢関連疾患とされてきたが、なぜ加齢が関連するかの分子生物学的な根拠は解明されていない。この細胞を除去することで、がんの進行を抑制する新たな治療薬の開発が期待されるという。

 研究成果が9日付で国際科学誌に掲載された。共同研究時に東京大客員研究員だった福島医大医学部泌尿器科学講座の目黒了助教が論文の筆頭著者を務め、同講座の小島祥敬教授が研究に加わった。

 研究では、老齢のマウスのぼうこう内にある「p16陽性老化線維芽細胞」が、腫瘍ができた後に、腫瘍内でがん進展に関与するとされるケモカイン遺伝子「CXCL12」を分泌させることが分かった。

 また「p16陽性老化細胞」を除去したり、老化細胞を除去する既存薬を投与したりすると、ぼうこうがんの進行が抑制されることも明らかになった。

 このため「p16陽性老化がん線維芽細胞」を標的にした新たな治療薬の開発が期待されるという。

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