東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しを巡り、東電は11日、取り出しに使う装置を原子炉格納容器側に押し込む作業を継続し、格納容器側面の貫通部の中間地点まで到達したと発表した。格納容器までの距離は残り約1.2メートルで、12日の作業で装置の先端が到達する見通し。作業の再開以降、これまでにトラブルは発生していない。
東電は11日、装置を押し出すための2本目のパイプを接続しながら、装置を格納容器側に約2.3メートル動かした。12日は装置の揺れを軽減するため、貫通部内側で安定させる作業にも取り組む。
東電は、装置の先端にある爪形の器具で3グラム以下のデブリを採取して性状を分析し、今後の廃炉作業に生かす考え。
デブリの取り出しには2週間以上かかると想定されている。
試験的取り出しは8月22日に着手となる予定だったが、準備作業中のミスが発覚して同日朝に作業を中断した。東電は原因究明や再発防止対策を講じ、約3週間後の今月10日に作業を再開した。当初は2021年に着手する計画だったが、取り出し方法の変更などで着手を3度延期していた。