東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しを巡り、東電は早ければ17日にも原子炉格納容器底部にあるデブリを取り出し装置でつまみにかかる作業に取り組む見通しとなった。作業開始当日にデブリに接触できる可能性があるとみられる。13日、関係者への取材で分かった。
東電は、14日から数日かけて装置を格納容器底部に向けて垂らす作業を試験的に行い、装置が正常に動くことを確認する。デブリを冷やすための格納容器への注水も一時中断し、装置の先端にあるカメラの視認性を確かめ、デブリを回収できる環境が整っているかを判断する。取り出しは、装置の先端から釣り糸のように爪形の器具を垂らして3グラム以下のデブリを回収する。
東電は13日、装置を押し出すためのパイプ全5本の接続を完了したほか、装置を格納容器内で3.5メートル動かした。先端は格納容器内で装置を伸ばす目標の4.4メートル地点に到達した。
東電はデブリをつまむまでに取り出し開始から1週間程度、回収完了までは少なくとも2週間程度かかるとみている。試験的取り出しは8月22日に着手となる予定だったが、準備作業で装置の押し込みに使うパイプの並べ順を間違ったため中断。約3週間後の今月10日に始まった。