デブリ採取装置取り出しへ、カメラの状態調査 福島第1原発2号機

09/20 12:45

 東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しが再び中断した問題で、東電は19日、取り出し装置を原子炉格納容器の外に戻して、映像が確認できなくなっているカメラを調査すると発表した。カメラの交換が必要な場合、再開はさらに遅れる見通し。

 東電は20日以降、カメラの映像信号を分析するため電圧の変化を調べる。この作業が終わり次第、取り出し装置を4日程度かけて格納容器外にある収納箱に引き戻し、監視カメラを使って、カメラやケーブルの状況など外観を確認する。

 東電は19日も調査を続けたが、遠隔操作室やケーブルに異常はなかった。

 取り出し装置にはカメラが4台あり、先端付近のデブリ採取に必要な2台の映像が17日に確認できなくなった。残る2台は正常に作動している。

 東電によると、予備のカメラは2台あり、原発構内で交換できるが、放射性物質を封じ込めている収納箱のふたを開けての作業となり、中断は長期化する。

 デブリの取り出しは2021年に着手する計画だったが、取り出し方法の変更などで3回延期された。今回の作業は、8月22日に予定していた着手が人為ミスで延期され、今月10日に再開されていた。

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