東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しが再び中断した問題で、東電は23日、取り出し装置を原子炉格納容器の外に戻す作業を始めた。
東電は、装置を押し込むためのパイプ3本を取り外し、装置を格納容器の外に向けて3.5メートル戻した。装置の先端は格納容器内0.9メートルの位置にある。作業は数日かかる見通し。
取り出し装置にはカメラが4台あり、このうちデブリ採取に必要な先端付近の2台の映像が17日に送れなくなった。東電は、装置を格納容器外にある収納箱に戻し、監視カメラを使ってカメラやケーブルの状況などを外観から確認する。23日時点ではカメラの映像が確認できなくなった原因は特定できていない。
取り出し作業は8月22日に予定した着手が人為ミスが発覚して中断、約3週間後の今月10日に作業を再開した。当初は2021年に着手する計画だったが、取り出し方法の変更などで着手を3度延期していた。