バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)は5日、2024―25シーズンが開幕する。東地区の福島ファイヤーボンズは5、6の両日、ホームの円谷幸吉メモリアルアリーナ(須賀川市)で西地区の愛媛オレンジバイキングスとの開幕節を迎える。5日は午後3時5分、6日は同1時35分から。
栗原HC手応え「形になってきた」
B2は東、西の2地区に計14チームが参戦する。東地区は福島、青森、山形、A千葉、富山、福井、信州の7チーム。西地区との交流戦を含め来年4月まで60試合を戦い、優勝やB1昇格が懸かるプレーオフ進出を争う。
今季の福島は昨季途中にヘッドコーチ(HC)に就任した栗原貴宏氏(郡山市出身)が引き続き指揮官を担う。笠井康平ら中堅選手を中心に6人が加わり、選手12人(日本人選手8人、外国籍3人、アジア特別枠1人)で戦う。
3日は郡山市で練習を行い、愛媛を想定した攻め方やセットプレーでの守備を確認した。チームは選手とボールを動かし続けて攻める「フローオフェンス」のスタイルを目指しており、栗原HCは「形になってきた」と手応えをつかむ。「ホーム戦で二つ勝ち、自分たちがやれることを証明したい」と力を込めた。
主将の林翔太郎は愛媛の3点シュート攻撃を警戒しており「リバウンドを取り、速い展開の攻撃をしたい」と話す。「B1昇格のため目の前の試合を大切にして勝ちたい」と意気込んだ。
プロ復帰の伊集「泥くさく」
「覚悟を持ってこの1年を過ごしてきた」。ポイントガードの伊集(いじゅ)貴也(31)は昨年Bリーグのチームを退団し、中学生年代のクラブチームなどで指導者を経て、今季から福島に入団した。子どもたちの「先生」はプロの舞台で再起を懸ける。
2021―22年シーズン終盤、香川ファイブアローズに所属していた伊集は右膝の前十字靱帯(じんたい)を断裂する大けがをした。22―23年シーズン途中に復帰したが状態は上向かず、シーズン終了後に自由交渉となった。
所属が決まらず翌シーズンを迎え、知人の紹介で香川県の中学生年代のクラブチームと子ども向けのバスケットボールスクールの指導者となった。だがプロを諦めきれず、家族に思いを伝え、復帰を目指した。子どもたちの練習に交じるなどし、体力や自慢のスピードを取り戻していった。
指導者として目に映ったのは、子どもたちがプロ選手を夢見て日々練習している姿だった。「子どもたちにとってプロはこんなにも夢や希望だったのか」。子どもたちの近くにいたからこそ、プロ選手でいられることは「当たり前のことではない」と気付いた。
今でも子どもたちから連絡が来るなど、親しまれている伊集。「プロ選手でも、泥くさいプレーをするところを見てほしい」と、教え子たちにプロで輝く姿を見せるつもりだ。