• X
  • facebook
  • line

阿武隈急、宮城側も「鉄路維持」 県と3市町合意…便数、ダイヤは検討

10/08 08:08

 経営が悪化する第三セクター・阿武隈急行(福島県伊達市)を巡り、宮城県と角田、柴田、丸森の3市町は7日までに、同県側区間の鉄路を維持する方針で合意した。同県は路線バスやBRTに転換した場合の事業維持費を詳細に分析していたが、最終的に利便性と実現可能性を重視したとみられる。

 4日に村井嘉浩知事と3市町の首長が同県内で非公開の会合を開き、鉄路維持の方針を確認した。関係者によると、便数やダイヤは今後検討する。赤字を穴埋めする負担の割合については引き続き協議する。会合では、赤字額がさらに膨らんだ場合、将来的に再協議の場を設ける必要を指摘する声が出たという。

 同県は輸送手段の代替可能性を調査し、鉄道を維持した場合の30年維持費473億円に対し、路線バスに転換すると最大176億円、BRTだと最大130億円が抑制できると試算。昨年3月までに報告書をまとめ、直近の利用状況などを踏まえ数値を精査していた。

 バス転換はコストを抑えられる一方、移動時間が延び、運転士確保も難航が予想される難点があり、判断に影響したとみられる。

 宮城県地域交通政策課の担当者は取材に「鉄路維持を決めたかどうかを含め、全て調整中だ。現時点では何も話せない」と語った。

 福島県側の自治体関係者は「どのような根拠で鉄路維持を決めたのか、まずは説明を待ちたい」と述べた。

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line