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踊屋台の保存継承へ資金募る 福島市唯一、14日まで一般公開

10/12 08:30

踊屋台伝承館で保管されている福島市唯一の踊屋台
踊屋台の写真を見ながら2014年の修復作業を思い出す純子さん

 福島市唯一の「踊屋台(おどりやたい)」の保存継承を巡り、後継者やメンテナンス費用の確保などの課題が出ている。踊屋台は12日から始まる福島稲荷神社の例大祭で一般公開される予定で、維持管理費などの資金を募り、代わりにオリジナル手拭いを配る予定だ。保管している踊屋台伝承館の草野健事務局長は「たくさんの人に踊屋台を見ていただき、大切な文化を伝承していきたい」と呼びかけている。

 伝承館、維持費募る

  踊屋台は上段で子どもたちが踊り、下段ではやし方が演奏する仕組みで、1957年に造られた。60年代に秋祭りで活躍していたが、やがて使われなくなり、50年の月日を経て、修繕プロジェクトで10年前に復活した。しかし、それから10年がたちメンテナンス費用など新たな課題が出てきたという。

 同市の八木沢純子(すみこ)さん(57)は曽祖父から4世代にわたって踊屋台を守り続けてきたことから、特別な思いを抱く。純子さんが7代目社長を務める工匠店「八木沢」が製作を手がけ、純子さんの曽祖父大作さんと祖父作治さんが原案と設計を、父規矩夫(きくお)さんが製作を担当した。

 10年前に展開された踊屋台の復活プロジェクトでは純子さんが修繕に関わった。父の「すごいのを造ったんだぞ」という言葉が印象に残る。それだけ職人にとって誇りの屋台でもある。

 2014年11月には「お披露目巡行」で子どもたちが踊屋台を引き、約50年ぶりに市街地を練り歩き、大いに沸いた。当時を思い出しながら純子さんは「福島市のシンボルとして長く伝承していきたい」と決意を語る。

 きょうから稲荷神社例大祭

福島稲荷神社の例大祭は12~14日に開かれ、踊屋台は神社に隣接する伝承館で公開される。時間は午前11時~午後5時。

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