川内風力発電所「かわケロ風車」阿武隈山地で初稼働 福島新エネ社会構想

10/20 09:00

阿武隈山地の主要な風力発電所で最初に発電を開始した川内電力の風車

 川内村の川内風力発電所「かわケロ風車」のオープニングセレモニーが19日、同村のいわなの郷で行われた。会津電力(喜多方市)などが出資する川内電力が事業主体で、風車3基の総出力は約7メガワット。国や県が「福島新エネ社会構想」に基づき阿武隈山地への整備を支援してきた風力発電所の中で最も早い稼働で、関係者が完成を祝った。

 セレモニーでは、会津電力の佐藤弥右衛門特別顧問が「川内村の風という資源を使った事業。地域貢献に取り組んでいきたい」とあいさつした。愛称は地元の川内小中学園から募り、名付け親となった猪狩あかりさん(5年)らに表彰状が贈られた。

 川内電力は、会津電力のほかアポロガス、市民風力発電、CSSが出資して2017年12月に設立した事業目的会社。発電所は今年2月に営業運転を開始しており、東京電力パワーグリッドに売電している。収益の一部は、村の教育振興などのために寄付される。

 風車80基が年度内にも

 阿武隈山地で進んでいる主な風力発電所の事業は【図】の通り。工事が順調に進めば、年度内に整備を終える風車は約80基となる見通しで、東京電力福島第1原発事故後に進められてきた「福島新エネ社会構想」は大きな節目を迎える。

 阿武隈山系の風力発電所で発電された電気は、福島送電(福島市)が葛尾村―いわき市の間に整備した共用送電線で送電する。風力発電所を巡っては、風車の点検や修理などの需要が見込まれるため、県が県内事業者の事業参入に向けた取り組みなどを支援し、産業化を目指している。

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