デンマーク・コペンハーゲンで開かれた自転車トラック種目の世界選手権の男子スクラッチで優勝した窪木一茂選手(35)=ブリヂストン、学法石川高卒=は22日、帰国した。古里の福島県古殿町で、関係者に優勝を報告し「会心の走りができた。次のロサンゼルス五輪に向けてさらに力をつけたい」と意気込みを語った。
窪木選手は、同種目で日本人として初めて優勝した。同種目では昨年まで2大会連続で銀メダルを獲得していた。同日は羽田空港に帰国した後、町役場を訪れ、世界選手権の金メダルや優勝者が着用できるチャンピオンジャージーを披露した。
「パリ五輪の借り返せた」
金メダルを手にした窪木選手は、応援に対する感謝の気持ちや今後に向けた意気込みを語った。
―世界選手権を振り返って。
「レース展開を見て、力を使い切る走りができた。周囲の選手がきつそうだった一方で自分は余裕があり、トラック60周(15キロ)の最後の10周で攻撃的な走りをしてほかの選手を振り切った。(優勝を逃した)パリ五輪の借りを返せた」
―優勝した感想を。
「競技を始めた高校生の頃からチャンピオンジャージーに憧れていた。当時は遠い世界のように感じたが、着ることができて感慨深い。いつも支えてくれる古殿の人に世界一という結果で恩返しできてうれしい」
―ロサンゼルス五輪に向けて。
「世界選手権優勝を経て、次の五輪を目指したい思いがある。スタミナやパワー、短距離で勝負できるスプリントの実力を高めてさらに強くなりたい。次の4年に高い目標を掲げ、後悔のない一日一日を送りたい」