2月の火災で造船施設が全焼した相馬市の松川造船の新しい施設が、来春にも完成する見通しとなった。同社は1日、再建工事に着手した。完成後に設備などを整え、早期の造船再開を目指す。造船施設が焼失したことで、漁業関係者の間に東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの漁業復興への影響を懸念する声が広がっていた。
新施設は以前より規模が縮小するが、小型船と沖合底引き網船(沖底船)を建造できる能力を備える。
同社は、相馬双葉漁協管内に2カ所ある造船所の一つで、同漁協の主力となる沖底船を建造できる管内唯一の施設だった。安全な漁船の操業に不可欠な修理や保守も担っている。
火災後、船底塗装など屋外で実施可能な作業を再び始めたが、本格的な業務再開を望む意見が地元漁業者には根強かった。こうした背景から、県などは同社の再建を支援する方針を示している。