福島県南相馬市の宇宙ベンチャー「AstroX(アストロエックス)」は9日、同市小高区で、全長約6.3メートル、重さ約260キロのハイブリッドロケットの打ち上げ実験を行った。ロケットは点火後、推定高度約7千メートルに達した後に着水、打ち上げは成功した。
今回のロケットは、同社が8月に打ち上げたロケット(全長約1.8メートル、重さ約10キロ)と比べて機体を大型化した。同社が進める気球からのロケットの打ち上げ「ロックーン方式」で、宇宙空間への到達を目指すロケットと同じ大きさとなる。実験は発射技術や手順の確認を目的に行われた。
ロケットは千葉工大などが開発した固体燃料に液体の酸化剤を流し込み、点火するハイブリッド型で、午前6時56分、打ち上がった。ロケットは大きな音とともに上昇し、海に着水した。
当初は10月26日の打ち上げ予定だったが、機体の一部に改修が必要となり、延期された。
小田翔武代表は「最大サイズでの新たなチャレンジ。延期もあったが、無事に打ち上がりほっとしており、大きな一歩だ」と話した。同社は年内にも気球の放球装置の実験を検討しており、小田代表は「この地で製造開発や実験を行い、皆さんと一緒に成長できれば」と意欲を見せた。
同社は来年度中の宇宙空間へのロケット到達、2028年度中の衛星軌道到達を目指している。