日本三大火祭りの一つに数えられる須賀川伝統の火祭り「松明(たいまつ)あかし」は9日、福島県須賀川市の翠ケ丘公園五老山をメイン会場に開かれた。各団体が手がけた松明約20本が燃え盛り、鎮魂の炎が夜空を焦がした。
市などでつくる実行委員会の主催で、市制施行70周年記念事業の一環。祭りは須賀川に攻め入った伊達政宗と須賀川城主・二階堂家の合戦で落命した人々を弔うために始まったとされ、400年以上の歴史がある。
昨年、新型コロナウイルス禍を経て4年ぶりに通常開催され、今年は長さ10メートルの「大松明」も復活。街中に勇壮なかけ声が響き、次々と松明に火が放たれて炎が大きくなると、熱気に包まれた。「松明をもりたてる会」の佐藤貴紀会長(50)は「無事に大松明を運び、火をともせて良かった」と感慨深げに見つめた。