初のJ2昇格を懸け、サッカーJ3の福島ユナイテッドFCはリーグ最終節の24日、アウェーのいわぎんスタジアム(盛岡市)でいわてグルージャ盛岡と戦う。現在6位の好位置に付け、初のJ2昇格プレーオフ(PO)出場をほぼ確実としている福島。岩手戦の結果次第でさらなる順位の上昇も見込まれ、POのホーム開催への期待も高まる。
福島は今季37試合を終えた時点で、リーグ同率4位の60得点と攻撃力が際立つ。4―3―3を基本布陣に、前半戦から自陣から前線にボールを運ぶ「ビルドアップ」を徹底。隙を突く縦方向のパスで相手守備陣を脅かしてきた。
21日に福島市の十六沼公園で行われた全体練習では、選手たちが約2時間にわたり汗を流した。ボール保持を意識したボールポゼッションや、11対11の試合形式の練習で精度を高めた。期待の高まりとともに練習を見守るサポーターの数も日に日に増え、この日も選手たちに熱い視線を送った。
PO進出をほぼ確実としている状況下で、寺田周平監督が最終節で求めるのは「勝利の質」だ。「勝利を求めるのは当然。その上でPOに挑むチームをより勢いづかせる勝ち方を目指す」と明言した。
J2昇格の可能性を残し、チームの士気は上がっている。守備的MFとしてアンカーの役割が期待される針谷岳晃(たけあき)は「勝ち方の質にこだわり、選手はもちろんファンサポーターも満足できる戦いにしなければならない」と表情を引き締めた。
他チーム次第で最高4位
POでは、J3の年間順位3~6位の4クラブがトーナメントでJ2昇格の最後の1枠を争う。PO出場圏内のチームは上位から順に、3位カターレ富山(勝ち点61)、4位松本山雅(同57)、5位FC大阪(同)、6位福島(同56)。富山は既に3位を確定、松本と大阪はともに勝ち点で並ぶものの得失点差で松本が上位に位置する。
福島は最終節の他チームの結果次第で、最高4位まで順位を上げる可能性がある。準決勝は12月1日実施予定で、組み合わせは3位と6位、4位と5位でともに上位(3、4位)のホームスタジアムで行われる。決勝は同7日に予定。