【サッカーJ3最終節】サッカーJ3の福島ユナイテッドFCはリーグ最終節の24日、いわぎんスタジアム(盛岡市)でいわてグルージャ盛岡に4―1で快勝し、J2昇格プレーオフ(PO)進出を決めた。福島は3連勝の勝ち点59で5位に浮上し、2021年以来クラブ最高順位タイで終えた。今季の成績は18勝5分け15敗。
J3のPOは今季から導入された。出場圏内は3~6位で、福島のほかに3位のカターレ富山、4位の松本山雅FC、6位のFC大阪が進出する。
福島は12月1日、サンプロアルウィン(長野県松本市)で松本山雅FCと対戦する。午後2時開始予定。
【評】福島が4得点の快勝で初のJ2昇格プレーオフ出場を手繰り寄せた。前、後半を通じて終始主導権を握った福島。前半3分にFW塩浜の先制ゴールで口火を切ると、同32分にはMF城定の直接フリーキックで追加点を奪取。その後も攻撃の手を緩めず、後半28分に塩浜、失点を喫した直後の同41分には後半途中出場のFW矢島のゴールでリードを保った。(小野原裕一)
年間クラブ最多ゴール記録「16」に
クラブ初のJ2昇格の夢をつないだ。福島のFW塩浜遼が2得点をマークし、クラブの年間最多ゴール記録を「16」に更新。J2昇格プレーオフ(PO)出場を懸けた一戦で躍動し「チームの歴史を塗り替えられて誇りに思う」とうなずいた。
磨いてきた得点への嗅覚を遺憾なく発揮した。試合開始わずか3分、先制劇の立役者となった塩浜。「意識はしていなかったが、(クラブの最高が)15得点なのは知っていた」。記録塗り替えへの準備は整った。後半28分、ゴール前の混戦でボールを収めた。「味方のプレスも生きて、後は決めるだけだった」。利き足と逆の左足で決めると、ゴール裏に陣取るサポーターから手荒い祝福を受けた。
途中出場を含め、今季リーグ戦37試合に出場。ピッチに立ち続け、左腕に巻くゲームキャプテンの腕章の重みとも向き合ってきた。「うまくいった時、悪い時、自分がどれだけ声をかけられるかを意識してきた」。自身のプレーに限らず、勝敗の責任も成長の糧にしてきた。PO出場を果たし、さらに大きな戦いに挑む。「積み上げてきたものを信じ、選手たちがここからの1週間でさらに成長できると信じている」と寺田周平監督。今年最後の大勝負に、慢心なく挑む。