東北の潜在能力、引き出し方探る Genkiプロジェクト・総括フォーラム

11/25 09:30

「奏でる東北」をテーマに意見を交わしたパネル討論=仙台市

 福島民友新聞社などでつくる東北七新聞社協議会主催の「とうほく未来Genkiプロジェクト」の総括フォーラムが24日、仙台市の仙台国際ホテルで開かれた。講演やパネル討論を通じ、東北の高い潜在力を引き出す方策を探った。

 約400人が参加。宮城県出身のコメンテーター玉川徹さん、岩手県出身で山形県在住の作家柚月裕子さんが基調講演した。

 玉川さんは東北各県の経済力が欧州の国々と変わらず潜在能力は高く、コメ輸出でも大きな可能性があると強調。「東北はすごく未来がある場所。自信を持ってほしい」と呼びかけた。

 柚月さんは司会者との対談形式で、故郷・岩手を舞台に描いた最新刊「風に立つ」のエピソードを披露。「東北は真摯(しんし)で、ひたむきな土地。心や感性を豊かにしてくれるものが、たくさんある」と魅力を語った。

 パネル討論は「奏でる東北」をテーマに3人が意見を交わした。明治安田生命保険の森口高志北海道・東北地域リレーション本部長は、サッカーJリーグの支援などの取り組みを紹介。「スポーツを通じて東北に人を集めたい」と述べた。

 JA全農の岩田和彦耕種総合対策部次長は高騰する米価などに触れ「今の価格に理解を示し、東北の農家を育ててほしい」と力を込めた。アキウツーリズムファクトリー(仙台市)の千葉大貴社長は「逆転の発想で東北だからできることを大事にしたい」と話した。

 福島民友新聞社の野崎広一郎社長ら協議会加盟社の社長7人が登壇。河北新報社の一力雅彦社長が「東北の潜在力を余すところなく引き出す、その一翼を担い続ける」と共同宣言を読み上げた。

 Genkiプロジェクトは秋田銘醸、イオン東北、神奈川大、全農東北プロジェクト、中央大、JR東日本、明治安田生命保険などが協賛し、復興庁と東北各県が後援している。

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