福島県三春町出身の登山家・故田部井淳子さんの生涯を描いた映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」は31日、全国の映画館で上映が始まった。郡山市の郡山テアトルでは公開初日は計6回上映され、公開を心待ちにしていた人が次々と訪れた。
同市の女性(72)は「諦めない姿が印象的だった。あんな風に生きたいと思う映画だった」と感動を口にした。女性(73)は、主人公「多部純子」役を演じた吉永小百合さんのあいさつをテレビで見て、初日から足を運んだといい、「登山グループ内でのやっかみなど、今まで気付かなかったことに気付いた。県人として、胸に来るものがある良い映画だった」と余韻をかみしめた。
同日は福島市のフォーラム福島でも公開がスタート。同市の女性(63)は「支え合う家族の姿が印象的だった。被災した高校生と富士登山する場面では、誰かのために頑張ることで力が出る田部井さんの人柄も感じた」と話した。
映画は、田部井さんのエッセー「人生、山あり“時々”谷あり」(潮出版社)が基になっており、女性初のエベレスト登頂を果たした登山家の挑戦と、家族の絆を描く。
