新しい紙幣の発行が3日から始まる。1万円札は日本の資本主義の父とされる実業家の渋沢栄一、5千円札は女性の地位向上に尽力した教育家の津田梅子、千円札は破傷風の治療法を確立した微生物学者の北里柴三郎が、それぞれ顔になる。紙幣の刷新は2004年以来約20年ぶりで、偽造防止と使いやすさの向上が狙い。
日銀は3日午前、本店と全国の支店から民間金融機関向けに新紙幣を引き渡す。個人や企業は、全国の金融機関窓口やATMなどを通じて手にする。全国銀行協会(全銀協)は「金融機関は発行初日に新紙幣を受け取り始めるため、3日の開店と同時に新紙幣を顧客に渡せるわけではない」としている。
新紙幣とともに、既存の紙幣も引き続き使うことができる。すでに便乗した詐欺も発生しており、各地の警察が注意を呼びかけている。警視庁によると、高齢者が金融機関職員をかたる人物から「新紙幣交換のためお金を取りに行く」との電話の後、訪ねてきた人に現金をだまし取られる被害があった。
新紙幣は偽造防止のため、最新の技術を採用した。