認知症やその疑いがあり、2023年に全国の警察に届け出があった行方不明者が1万9039人に上ったことが4日、警察庁のまとめで分かった。前年から330人増え、12年の統計開始以来、11年連続での最多更新となった。
行方不明者全体の人数は9万144人。コロナ禍の20年は過去最少の7万7022人だったが、3年連続の増加となった。
認知症の行方不明者数は12年の9607人から増え続け、近年は2倍に迫る状況で推移。高齢化の進行を背景に今後も増えるとみられる。一部自治体が高齢者に配布している衛星利用測位システム(GPS)や、ドローンによる捜索が早期発見につながったケースがあり、警察庁は関係機関と連携し、取り組みを推進するとしている。
都道府県別では、兵庫県が2094人と最多で、大阪府が2016人、埼玉県が1912人と続いた。男女比は、男性が55・7%、女性は44・3%。23年以前に届け出られた人も含めると、1万8221人が生存した状態で見つかり、うち1万7988人は届け出から3日以内だった。