日本大は12日、重量挙げ部で昨年までの10年間にわたり、金銭の不正徴収があったと発表した。部の幹部が指示し、入学金・授業料の一部または全部を免除されている奨学生の部員から全額を徴収。幹部が免除額相当分の多くを私的に使っていた。大学は被害回復に向けた手続きを開始。部員が被害者であることを考慮し、部の活動は継続する。幹部の名前や役職は明らかにしていない。
大学によると、重量挙げ部は入部予定の奨学生の保護者に対し、入学金・授業料の免除は「2年目から」などとする虚偽の入学案内や請求書を送付。入部金と同時に本来免除されるべき入学金・授業料を部の口座に振り込ませていた。
日大は2018年にアメフト部の「悪質タックル」が社会問題化。同部は昨年、部員の違法薬物事件で廃部となった。重量挙げ部は五輪選手を輩出している強豪で、パリ五輪でもOBで男子102キロ超級の村上英士朗選手(いちご)が日本代表入りした。
大学側は、外部の弁護士による調査を経て、問題の幹部に対する「責任追及の手続きを開始した」という。