松山市の松山城近くで12日未明に発生した土砂崩れで、市災害対策本部は13日、現場から男女3人が見つかり、いずれも死亡が確認されたと明らかにした。愛媛県によると、3人は倒壊した住宅に住んでいた90代男性と80代女性の夫婦と、その息子の40代男性。
県は、遺族の意向で3人の氏名や年齢は公表しないとしている。周辺では断続的な雨が降り、水分を含んだ大量の土砂が堆積。捜索は12日から夜を徹して行われた。13日午後、他に行方不明者は確認されていないとして、終了した。
現場は国の重要文化財・松山城がある山の斜面の下で、幅約50m、高さ約100mにわたって崩れた土砂が住宅やマンションに流れ込んだ。
城の天守付近の道路では、昨年夏と今年6月末~7月の大雨で斜面を支える擁壁が傾き、数本の亀裂が発生した。市は復旧工事に着手し、擁壁を約20m取り除き、道路や斜面をブルーシートで覆っていた。
愛媛県の中村時広知事は13日現場を訪れ、工事が土砂崩れに影響したかどうかは「分からない。しっかりとした分析が必要だ」と述べた。