上川陽子外相は30日、参院外交防衛委員会の閉会中審査で、在沖縄米兵による性的暴行事件を巡り、日米両政府が1997年に合意した通報手続きについて「詳細は把握していなかった」と認めた。外務省事務方からの報告は事件の概要のみだったとし「問題になった段階でフレームワークの流れをしっかり把握した」と語った。立憲民主党の小西洋之氏は「監督責任を果たせず、外相の資格がない」と辞任を要求した。
昨年12月の事件では米軍から沖縄防衛局に通報がなく、手続きの形骸化が指摘されている。外務省は米兵が起訴された3月時点で事件を把握していたが、防衛省や沖縄県に伝えていなかった。
上川氏は外務省の対応の是非を問われ「日本の捜査当局の情報を踏まえ、日米間で適切にやりとりした。問題があったとは考えていない」との認識を示した。在日米軍の事件・事故が対象となる通報手続きに関し「刑事事件はより一層、適切な運用の在り方を検討する必要がある」と述べ、見直しに言及した。