520人が亡くなった1985年の日航ジャンボ機墜落事故から39年となった12日、遺族らが群馬県上野村にある現場の「御巣鷹の尾根」に慰霊登山した。犠牲者が見つかった場所にそれぞれ立つ墓標や、墜落地点の「昇魂之碑」に手を合わせ、追悼。夕方には麓の追悼施設「慰霊の園」で犠牲者をしのんだ。
亡くなった加藤博幸さん=当時(21)=のおいの会社員小林隼也さん(34)=東京都=は、博幸さんの父で小林さんの祖父加藤留男さん=02年に69歳で死去=が慰霊登山に使っていたリュックを担ぎ登山。「祖父と一緒に叔父に会いに来たと思う」と話した。
日航によると、68家族の230人が登った。遺族らでつくる「8・12連絡会」の事務局長美谷島邦子さん(77)は「えぐれた山肌を埋めるように毎年歩いてきた。次世代に事故を伝える責務を果たしたい」と力を込めた。
単独の航空事故としての死者数は現在でも世界最悪。1月には、日航機と海上保安庁の航空機が衝突し、海保機の5人が犠牲となった。日航の鳥取三津子社長も就任後初めて慰霊登山した。