暖かく湿った空気の影響で鹿児島県の奄美は9日、大雨となった。与論町では1時間に87・5ミリが降るなど、朝までの24時間に590ミリを超える記録的な雨量を観測。気象庁は与論町に大雨特別警報を出し、記者会見で「直ちに身の安全の確保を」と呼びかけた。奄美と沖縄では9日夕方にかけて大雨が続くとみられ、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重な警戒を求めた。
気象庁が11月に大雨特別警報を出したのは2013年の運用開始後、初めて。台風19号の影響で出された19年10月12~13日を超え、最も遅い。
気象庁によると、東シナ海の気圧の谷に向かって暖かく湿った空気が入り込んだ。奄美と沖縄本島北部では未明から線状降水帯の発生が続き、沖縄県東村では1時間に101・5ミリの猛烈な雨を観測。朝までの24時間でも420ミリを超えた。同県大宜味村では5段階の警戒レベルで最高の避難情報「緊急安全確保」が発表された。
鹿児島県は9日、与論町に災害救助法の適用を決めた。