【ロンドン共同】英国などを拠点にするミサイル製造会社MBDAが日本に対し、レーダー妨害機能を備えたミサイル型の新兵器「スピアEW」の購入を打診していることが分かった。同社幹部が24日までに共同通信に明らかにした。英政府の出資で開発中で、日本側と既に複数回協議したという。戦闘機から発射するミサイルの命中率を上げることができ、同社は日本の反撃能力(敵基地攻撃能力)の向上につながるとみている。
中国や北朝鮮が軍拡を進める中、日本は2022年に策定した国家安全保障戦略に、自衛目的で他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力の保有を明記。英国、イタリアとの3カ国で次期戦闘機の共同開発も進める。
スピアEWはミサイルのような形状で、戦闘機から発射される。標的に向かいながら敵国の防空レーダーを妨害する。レーダーに多数の存在しない戦闘機やミサイルを感知させ、実際に放つ巡航ミサイルなどの迎撃を困難にする。これらの「おとり」は、戦闘機が撃ち落とされるリスクの軽減にもつながるという。