• X
  • facebook
  • line

発達障害は遺伝する? それとも環境? 当事者親子が伝える「妊娠」「出産」「子育て」の現実

07/29 17:00

  • その他
発達障害当事者の春野あめさん、子育ての中でも人間関係でも特性と向き合う時があるそうだ(@AmeHaruno)

 自身の体験を漫画にしてSNSや著書を通じて発信、同じ悩みを持つ人から共感を得ている春野あめさん。旦那さんとの付き合いが始まったころに心療内科を受診し「発達障害」と診断された。「発達障害が子どもに遺伝する」という考える人もいるそうだが、結婚・出産・子育ての中で、自身の特性とどう向き合っているのだろうか。

【漫画】児童館で会った初対面のママがドン引き、その理由は?

■夫の意外な言葉に安心「好きな人に似た子が生まれるのに不安なんてない」

 春野さんが「発達障害」であることは結婚前から理解していた旦那さん。つき合っている時から、忘れ物が多かったり、予約の日にちを間違えるなどの特性にも寛容に見ていてくれていたという。二次障害の部分であろう、春野さんの「依存心の強さ」や「精神面の不安定さ」に対しては、心が折れそうになって別れも考えた、と旦那さんか教えてもらったこともあったそうだ。

――発達障害は子どもへの遺伝はないと言われていますが、「遺伝子の関わりは強く、環境の影響も受ける」という考えもあるそうです。子どもを持とうとなった時に、発達障害についてご夫婦でどう考えましたか?

【春野あめさん】遺伝のことをお互いでしっかり調べたことはなかったのですが、遺伝したらどうする? という話合いは夫婦でしました。その時夫は、「好きな人に似た子が生まれることになんの不安があるのか」と、とても楽観的で安心した記憶があります。

 私自身も、精神的な不安定さは昔に比べてかなり落ち着いた実感があったし、夫となら育てていけるだろうという根拠のない自信もあって、子どもを産み育てることに大きな不安はありませんでした。

――春野さんが子育てで気をつけていること・心がけていることは何ですか?

【春野あめさん】自分の感情をしっかり理解してから言葉にして伝えることですね。叱る際はとくに気をつけていています。そうすることで、感情で自分を見失わない、子どもたちに誤解させないように心がけています。

 私の親は感情的になることが多かったので、子どもの頃は嫌われているのかもしれないと不安になることが多かったんです。子どもたちにも、楽しいことや嫌なこと、何かあるごとに自分の感情を言葉にして話してもらうようにしています。でも一番は、毎日大好きと伝えて抱きしめることかな(笑)

――これは特性があるないに関わらず、全お母さんの悩みかもしれませんが、子育て中は“ママ友”が様々なシーンで頭を悩ませる存在かと思います。トラブルの原因になる場合もありますが、子育てで困った時の救世主として心強い存在になることも。春野さんはどうママ友と付き合っていますか?

【春野あめさん】距離感が難しいので、“ママ友”と“友達”は自分の中で明確に分けています。今年上の子が小学校に上がり、ママ友の連携がいかに大切なのか実感しているので、積極的につながりを持つようにしていますが、緊急時に連絡を取り合う程度の関係にとどめるようしにています。そのくらい、ママ友はあっさりした関係でいいのかなと思っていますし、今のところ問題なく過ごせています。

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line