3月13日は、数字の1が二つの3に挟まれていることから「サンドイッチの日」とされています。今月はMe&Youでも大好評の「#純子飯」を出張版として渡辺純子先生にご協力いただき、サンドイッチにまつわるアレやコレやをご紹介します。定番の具材からちょっと変わった提案まで、何を挟むかは皆さん次第! 自分でオリジナルの具材の組み合わせ開拓に挑戦してみてはいかがでしょうか?
◇
今やコンビニ、スーパーなどどこででも手に入り、町の喫茶店や洋食屋でも気軽に食べられるサンドイッチ。諸説ありますが、その語源は18世紀頃に実在したイギリスのサンドイッチ伯爵が由来となっているそうです。
カードゲーム好きが高じて、ゲーム中に片手でも食事が取れるようにとおかずをパンで挟んで食べたことが発端とされていますが、実際にはもっと昔からおかずをパンで挟んで食べる習慣もあったようですので「サンドイッチ伯爵方式として世の中に広まったため」というのが正しい理由かもしれません。また、サンドイッチ伯爵の誕生日と11(いい)3(サンド)の語呂合わせで11月3日もサンドイッチの日とされています。
定番の三角や四角、長方形に切ったものから、巻きずしのようにロールしたもの。フランスパンを使用し、パンの中をくりぬいて具材を詰め込んだり、パンごと焼いたホットサンドや具材をただ乗せただけのオープンサンドなど(!)もはや「具材をパンで挟む」というサンドイッチの単純なルールすら根底から覆すものまで、サンドイッチはこれまで様々な進化を遂げ多種多様な食べ物になりました。
ここまで愛される理由は、何を挟んでも良いという創作の自由度の高さではないでしょうか? どんな作品を作るのか、皆さんの腕の見せ所です。
今回純子先生に教えていただいた(1)ピーナツバター&スライスバナナサンドは、アメリカ版お袋の味のようなもので、42歳という若さで亡くなった、かの有名なエルヴィス・プレスリーの大好物がこのサンドイッチとベーコンをたっぷりのバターで焼いて一緒に食べるというものだったそうです。恐ろしいほど高カロリーですので健康という観点からはあまりオススメできませんが、ご興味のある方は一度は試してみる価値があるかもしれません。純子先生版のサンドイッチもおいしいのでぜひお試しください。
また、その時の体調などに合わせて必要なものを挟めば、すぐに必要な栄養素が取れることも魅力のひとつ。野菜不足解消には色とりどりの野菜を千切りにしてサンドするだけで、切ったときの断面も美しく体にも優しいサンドイッチの完成です。皆さんもご自分の体調に合わせ、しょっぱいものから甘いものまでいろんな具材の組み合わせに挑戦してくださいね。
(1)ピーナツバター&スライスバナナサンド
【 おススメ!簡単・サンドイッチ 】 ※全てのパンにバターを塗っています。
(2)アジフライ(お総菜)サンド
マヨネーズとマスタードを混ぜ合わせたソースをかけるとピリッとしておいしい。
(3)玉子焼きサンド
◆玉子焼き材料
・卵(L).........3個
・だし汁.........90CC
・薄口しょうゆ.........小さじ1
・みりん.........小さじ11
・塩.........少々
※厚焼きのだし巻き玉子を焼くのはなかなか大変ですが、この分量でぜひ一度お試しを!大葉をサンドしてもおいしいです。
(4)タマゴサンドラップ
ゆで卵2個を黄身と白身に分け、白身をフードプロセッサーにかける。黄身は温かい内にコーヒー用粉末ミルク小さじ1を混ぜて潰す。マヨネーズ大さじ2・黄身・白身を混ぜ合わせる。
(5)豚しゃぶサンド
しゃぶしゃぶした豚肉は水気を切りポン酢を絡め、マヨネーズ・レタス・大葉、豚肉をサンド。キュウリを加えてもおいしい。
※ポン酢の水分もしっかり切ってください。
(6)のり巻きサンド
つくだ煮のりとマヨネーズを同量混ぜ合わせたものをパンに塗り、その上に焼きのりを敷く。もう1枚同様に重ね、縦に4等分した魚肉ソーセージを2本ずつ乗せ、ラップの上でのり巻きを作るように巻く。
※そのままの持ち運びにも便利です。
(7)ミニトマトのマリネ(下写真・右)
湯むきしたミニトマトをオリーブ油・お好みのドレッシングに漬け込むだけ。輪切りにしたオリーブやイタリアンパセリとどうぞ。
※日持ちします。
(8)カキのオイル漬けのバゲット乗せ(下写真・左)
2016年11月号で紹介したカキのオイル漬けを軽く焼いたバゲットに乗せるだけ!
(9)ビーフカツサンド
常温に20分置いた新鮮な牛肉に塩コショウを振り、小麦粉・溶き卵・パン粉をつけたら衣がキツネ色になるまで揚げる。揚げずに表面をカリッと焼くだけでもOK!(※目安は1センチの肉なら強火で1分ずつ焼いて、アルミホイルで包んで少し休ませる。)マスタードとトンカツソースを同量混ぜ合わせたソースを塗るのがポイント。
※新鮮な牛肉は生でも大丈夫なので、血の滴るお肉をワイルドにどうぞ!
(10)(11)好きな具材のせのせサンド
バゲットは焼いて好きな具材を乗せるだけ。追加でオリーブ油をかけるのもオススメ。
【 サンドイッチのおいしい作り方 】
サンドイッチをおいしく作る基本は、とにかくパンが具材の水分を吸わないようにすること! どんな具を挟む場合もパンとの接地面にはバターを隅々まで塗ることが大切です。野菜も同様に洗ったらしっかりと水分を拭き取ってください。キュウリなど水分の多い野菜は切った後に塩を振り、少々水抜きをすると良いそうです。
後は食べたい物をサンドしていけばOK! (2)のアジフライサンドのように、市販のお総菜を挟めば手間いらずですし、(10)シーフード系や(11)BLT(ベーコン・レタス・トマト)の変形でローストビーフを乗せたオープンサンドなどは、チーズを乗せてグリルするのもオススメ。
パンを少しトーストしたり、塗りやすいようにバターを常温で練っておくなどの一手間があるだけで、お店で提供されるようなサンドイッチをおうちで簡単に再現できます。
ひな祭りや卒業祝い、これからの入学・進学、または就職祝いなど、今年はおすしの代わりにサンドイッチパーティーも楽しいかもしれませんよ。皆さんオススメの組み合わせも教えてくださいね。
※最後に注意点がひとつ。サンドイッチに挟む野菜は時間がたつとどうしても傷みやすくなります。「行楽シーズンのお弁当に!」とお考えの方は、食中毒などに十分ご注意ください。
プロフィール
Profile【 渡辺純子さん 】
初心者から上級者まで楽しくアットホームな雰囲気でお料理を学べる、福島市の料理教室「Cooking studio Spoon papa」主宰。夜には同市の「Bar古時計」で純子先生のお料理をいただくこともできます。
「ABCクッキングライセンス(パン・料理)」取得。「恵比寿アトリエフレザージュ師範コース合格」。
掲載誌情報
2017年3月号・Me&You「#純子飯(じゅんこめし)」より