【7月15日付編集日記】噴火への備え

07/15 08:30

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 井上靖の小説「小磐梯」は不穏な空気に満ちている。舞台は磐梯山周辺にある村だ。耕作地の測量調査のため出張していた役人らが奇妙な物事をたびたび見聞きする。おびただしいヒキガエルの群れ、温泉の湯量の減少、そして頻発する地震や山鳴り  ▼悪いことの前兆ではないかという村人らの予感は的中する。磐梯山の噴火だ。小説は1888年7月15日に起きた史実をモチーフにした。自然の脅威を前にした人々の恐怖が生々しく...

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