雪深い村にやってきたK。測量師として雇われたはずなのに、雇った側の官庁の役人と一向に会うことができず、仕事を始められない。カフカの長編小説「城」は、巨大官庁に翻(ほん)弄(ろう)される異邦人の姿を描く ▼城と呼ばれる官庁の役人と何とか接触しようと試みるKに、村民たちはその難しさを口々に語る。彼らによれば電話しても担当者と話せる可能性は低そうだ。「こちらから城のだれかに電話をかけると、あちらでは下...
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